鍛えるだけがパーソナルトレーニングジムではない
以前、インタビューした長手さんからの紹介。お二人は学生時代のトレーニングジムのアルバイトからのお知り合い。
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現在、戸田さんは東京都北区・荒川区にあるマタドール・パーソナルトレーニングジム東京にて、老若男女問わず様々な方の健康をサポートしている。
パーソナルジム。と聞くと「筋肉増強」や、「ダイエット」などをイメージする方もいるだろう。だが、鍛えることや痩せることだけがすべてとも言いがたい。
「健康維持や向上。理想な生活を作るための体づくり。見た目よりも、内面からの変化にもフォーカスしています。いかに、普段の生活の中で健康に意識を持っていただくか。気付きを促す指導も意識しています」
不完全燃焼に終わった高校野球
小学生時代から専ら外遊びがメイン。中学、高校と野球部に入部。しかし、高校2年生のときに怪我を原因に退部する。
「プレーしたいと想える余裕も無く、怪我の回復も時間を要しました。徐々に野球に対する想いも冷めてしまい、見切りをつけて退部しました」
気持ち半ばでの退部。野球への不完全燃焼さも残り、受験勉強にも身が入らなかったと振り返った。
「正直、将来明確にやりたいことは見つけられませんでした。なにか大学で見つかるかなと思い、大学進学を選択しました」
自分と同じ思いをしてほしくない
ところが、入学して1年後退学し、専門学校に進学。その背景には、高校時代の怪我への後悔があった。
「大学入学後も、怪我でドロップアウトした後悔を忘れらませんでした。そんな時、スポーツトレーナーという仕事を知り、『私と同じように怪我を原因にスポーツから離れ、後悔する人を作りたくない』という気持ちが芽生えました」
もし、怪我をしてもどのように回復させるのか。事前な予防方法を学び選手や子どもたちをサポートしたいと、将来の目標が決まった瞬間だった。
幅広い人たちのサポートをしたい
医療系の専門学校に進学。アスレティックトレーナー科(スポーツ現場で選手が受傷したときの応急処置、復帰までの手順を考え傷害の予防のために働くスタッフ)に入学。現在の仕事に関係する、ストレングストレーナー(アスリートを対象に、パフォーマンスの向上と傷害予防を目的とした安全で効果的なエクササイズプログラムを作成し、指導を行う人)を学んだ。
「ストレングストレーナーは、より一般の方にも健康向上や、お年寄りの方にもアプローチができると知り可能性を感じました。また、民間のジムでのアルバイトを通して、”お客様の将来のために何をすべきかを考え、トレーニングサポートすることの難しさと大切さ”にも気づきました」
卒業後は地元のスポーツクラブに就職。その後、本格的にパーソナルトレーナーの勉強をするため上京。スポーツクラブで働きながら、大学のラグビー部や、県立高校の外部コーチ指導を経て、現在に至る。
3つの柱
・「ライフスタイルを充実させる」
・「スポーツを楽しむ身体作り」
・「平均寿命よりも健康寿命を伸ばす」
この3つを軸にトレーニングや、お客様が求める理想的な生活へのサポートしている。
「これまで、持病などのハンディキャップを抱えながらも、トレーニングを通して人生を楽しむ人たちの姿を目の当たりにしました。運動だけでなく、セカンドキャリア、障がいを抱えても前向きに生きたい方たちの力になりたいと考えるようになりました」
ジュニア~シニアまでと客層は幅広く、 スポーツを生涯楽しむためのアクティビティも設けている。障害予防とスポーツの基本動作を取り入れつつ、基礎体力つくりのサポートも行っている。
お客様の内なる声
運動や栄養に関する知識だけでなく、接客スキルも求めれらるパーソナルトレーナー。お客様の理想の生活に少しでも近づけるため、細かなヒアリングが大事だ。
「例えば、ダイエットがしたい。という方も、何度かトレーニングや食事療法を試すも、様々な理由で継続できない人もいらっしゃいます。ならば、”なぜ、運動が続かなかったのか”。表面的な部分ではない、お客様自身では目を向けにくい部分にも焦点を当てます」
中々言いにくい事だからこそ、密なコミュニケーションが必要となる。言葉ひとつとっても重要だ。
「トレーナーがいない時間も、ご自身でどのくらい健康や食生活にアンテナを張れるのか。お客様とのコミュニケーションの中で、見えない気づきを与えるのも私の仕事です」
さいご 健康の芽を植えていく
老若男女幅広く訪れるお客様。仕事も違えば、目指す生活も体形も千差万別。すべての人に当てはまるトレーニング方法は存在するわけではない。だからこそ、お客様自身の内側に寄り添う。パーソナルトレーナーと言われる所以のひとつかもしれない。
今後は医療スタッフ(医師、看護師、理学療法士など)と同様に、一般の方々の健康をサポートできるように、職業としてスポーツトレーナーの認知度や活動の場、社会との繋がりを広げていきたいという。
「ライフスタイルの中に、事前予防医療として誰もが取り組めるスポーツやトレーニングの必要性を理解し、行動していただけるよう活動を続けたいと思います」