『○○歳からはじめよう!』巷で見かけるセールスコピー。『もう、○○歳だから私には無理だよ~』そんな諦めの言葉。
いつしか、”年齢”を指標にして人生選択をしている人も多いのではないでしょうか?
長手良弘さんに初めてお会いしたのは約2年前。当時は『100歳まで歩くからだづくり』がコンセプトにしていましたが、今は年齢の捉え方が変化したそうです。
昨年、東京都人形町にスタジオを構え、整体、鍼灸、ストレッチの提供。加えて、2021年7月に奥様の朋美さんと『nagateke』をスタート。
コロナ禍をどう過ごし、今を生きているのでしょうか―――
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――ご無沙汰しております!本日は二度目のインタビュー。前回は『会社設立を目指しています』と締めて頂きました!
長手 お久しぶりです!そうですねぇ、会社…。設立してないですね(笑)
この人形町での治療、大手町でトレーナー、妻と始めた『nagateke』。この三本柱で生活しています。
前回のインタビュー以降、自分の仕事(整体、鍼灸、トレーナー)では、銀座でフリースペースを借りて施術を行っていました。
ですが、コロナの影響で借りれなくなりまして…。オンラインレッスンを始めながら、このスタジオを開いて1年が経過しました!
【長手良弘(ながてよしひろ)】東京国際大学卒業後、サラリーマンを経験。2017年『medico nagate』を立ち上げ。都内を中心に整体、鍼灸、ストレッチ、セミナー講師としても活躍。2021年からは奥様と『nagateke』をスタート。『手の暖かさ、手作りの良さを届ける』をコンセプトに、ポップアップショップを行いながら新しい価値を提供する。
シンクロ率
――SNSを通じてオンラインセッションの様子を拝見していました!コロナ禍となり、お客様の反応はどうでしたか?
長手 ステイホーム期間中であっても『からだを動かしたい』、『ケアしたい』という方は多く、集客に関しては変わりはなかったです!
最初、オンラインでの意思疎通に不安がありましたが、「伝わっているな」という感触がありました。なにより、お客様も外出することなく、好きなタイミングで運動ができる。
とは言え、やっぱりお会する方が、お客様の感覚的な部分まで見られる、感じられると痛感しました。
人形町のスタジオにてインタビュー
――感覚的なところと言うと?
長手 今やSNSでストレッチ動画を参考に運動ができます。ところが映像と同じポーズを取っているつもりでも、意外と自分の癖や普段の可動域で行ってしまうのが人間。
オンライン時は僕自身も動いて見せる。その人に伝わる言葉をチョイスする。そのようコミュニケーションも気配りをしていました。
一方、お会いしての施術はレスポンスも早い。僕の体もピタッとお客さんとシンクロする瞬間を感じるんですよ(笑)
『あぁぁ!今、ここ伸びてます!』みたいなトーンがひとつ上がる感じがあったり(笑)
力を入れる場所が2cmぐらいズレるだけでも、運動効果が変わります。細部まで見ながらレッスンできるのが対面の一番のメリットですよね!
What's nagateke?
――特に大きな変化は今年7月には奥様と始めた『nagateke』かと思います!その経緯をお聞かせください!
長手 僕は身体に関わる仕事で、妻は調理師。どちらも、健康をテーマに働くからこそ『なんかできそうだよね』と数年前から話していました。
中々形にならない状況で、『とりえあずロゴ作る?』となりまして(笑)。たまたまお客様がデザイン会社を経営されていてお願いさせて頂きました。
『折角作ってもらったんだから、動き出さなきゃ!』と、ようやく自分たちのエンジンがかかりました(笑)
『ロゴには妻の旧姓である”高野”のDNAを入れたかったんです!』と、長手さん。
――意外と形から入るタイプなんですね!(笑)。これまで”おむすび”の製造・販売を8回開催。なぜ、おむすびを選択されたのでしょう?
長手 僕らのコンセプトは『手の暖かさ、手作りの良さを届ける』こと。
”手”を扱う僕らならではの提供ができるはず。まず形になるのがおむすびでした。
そして、新しい発見も届けたいんです。実は梅干しも化学調味料が多く使われているの知ってましたか?
僕らは無添加の梅干しと、香草のディルを合わせたおむすびを作りました。無添加ゆえに食べると非常に酸っぱいのですが、ディルと掛け合わせることでマイルドになる。
普段の日常に小さな驚き。僕らの感覚を皆さんにお伝えできたらなと思っています。
左:定番メニューのスパム、鮭、山椒。右:鮭おむすび梅とディル。おむすびは竹の皮に包んで提供。竹の皮は水分調整に加え、殺菌効果が!見栄えだけじゃないんです(笑)
健康案内人は”ことばを探す”
――これまでは長手さんおひとりで仕事をされてきました。一方、nagatekeでは奥様との共同作業。時に衝突したりすることもあるのでしょうか?(笑)
長手 そうですね…(笑)。時にバチバチです(笑)とは言いながらも、妻(人)と働いたことで、自分の仕事にも新たな発見がありました。
そのひとつが言葉のチョイス。
先ほど、お話したようにオンラインレッスン時には『適切な言葉はなにか』と常に模索しています。
『腕を伸ばす』と伝えても人によっては感覚が違います。以前にも増して、その人が持つ言語感覚に寄り添う意識が芽生えました。
奥様の朋美さんと
現代人が患った”区切る病”
――人と働くのは大変ですよね…!(笑)以前、”100歳まで歩くからだ作り”がコンセプトでした。今も変わらないのでしょうか?
長手 実は今、年齢に対する考え方が変わってきました。そのきっかけが去年、腰のヘルニア手術をしたときでした。ひどい時は歩くのは5分が限界。本当に辛かったの覚えています…。
一見『ヘルニア』と聞くと、若い方が患う印象がありますが、発症するのに年齢は関係ない。
その時、『もしかして、年齢に囚われすぎているんじゃないか?』と思ったんですよね。それは体調面だけでなく、人生においても。
――今日、長手さんにお会いした時に『高橋さん、いよいよ30歳ですね!』と言われたのを思い出しました!
長手 広告や本なんかでも『〇〇歳から始める――』と目にしませんか?無意識のうちに年齢を意識させられていることが多いと思うんですよね。
でも、年齢に関係無く一生涯歩きます。そして、日々のケアが未来を作る。『100歳に設定を設けるのはどうなんだろう?』と。
今は『年齢に囚われないからだ作り』を念頭とし、年齢フィルターを外す意識の提供をしていきたいんです。
どう先手を打って予防するのか。いかに早く改善するのか。従来の物に加えて、新たなアプローチで年齢の概念を変えていきたいと思っています。
『それって本業なの?副業なの?』
――今は年齢に加えて、”職業”、”性別”。こういったカテゴライズされたものが無くなりつつあるように感じます!
長手 資格の有無や本業と副業。そういった区切りにも最近は違和感があります。
『nagatekeは副業なの?』と聞かれますが、正直に言えばどちらも本業。
僕が生業としているのは”多くの人を健康にすること”。そこに職業の括りは関係ないと思います。
針、ストレッチ、おむすびは手段であって、健康になってくれるのが目的。
なので、おむすびをいつまで販売して行くかは決まっていません。これは僕らを知って頂くためのきっかけのひとつ。今年も実験的なことをしていきたいです。
おむすびだけでなく、サンドイッチやちらし寿司の制作と販売も開催。
辞書には乗りきらない意味がある
――今日、久しぶりにお会いできて本当に楽しかったです!それではさいごに前回同様、今後の抱負をお話して頂きたいです!
長手 お客様からプロフェッショナルとスペシャリストの違いを教わりました。この言葉似てるじゃないですか?実は言語化してみるとまったく違うことに気付かされました。
スペシャリストは簡単なことでも難しそうに説明し、専門家としての認識を高める。
プロフェッショナルは専門的で複雑なことを素人にもわかりやすく説明する。
#71 仕事で「プロフェッショナル」になりたいあなたへ。 - YouTube
僕は後者で在りたいなと思ったんですよね。相手に伝わるやさしい言葉を使いたい。目的を達成するために手法に囚われずに挑戦したいですよね!
高橋さんとお会いして以降、もしかしたら言葉の意味と向き合ってきた気がしています。
抽象的な概念を取っ払うことを施術やnagatekeを通して表現していきます!
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