「遊びたい!」、「おもちゃ買って!」、「お腹すいた!」
ふうっと息をついたのも束の間。家の掃除、お風呂に、洗濯…。そう、ママはいつだって忙しい。
「立ちっぱなしでご飯も食べられない、けれど小腹がすいた…」そんなママの願望を叶えるのが戸田星紗(とだせいさ)さん。
国産米粉を使ったグルテンフリーお菓子「ままがし」を経営。もうひとつの顔として、多種多様な事業者のECサポートも行っている。
「ままがし」 の言葉には”わがまま”が含まれている。「自分の都合を中心に物事を考え、行動するさま」と辞書にある。
他人に迷惑をかけてはいけないが、自分の人生に対してわがままな姿は人を惹きつける魅力がある。「人生一度きり」をモットーに生きることに素直な人生観に触れた―――。
――「おすそわけマーケットプレイス・ツクツク」繋がりの星紗さん!幼少期からお菓子作りが好きと伺いました。将来の夢はパティシエだったんですか?
戸田 その夢もありましたが、女優への憧れも…(笑)。私が小学生のときは安達祐実さんが子役で全盛期。めちゃめちゃ影響されました。
私自身、小学生のときは合唱団に所属。卒業文集に将来の夢は「女優になる」と書いていました(笑)
――しかし、高校卒業後は製菓学校に進学し、ケーキ屋さんに就職。安定の道を選択されましたね!?
戸田 高校受験の際、”パティシエ”と”女優”を天秤にかけたとき手に職だなと(笑)
著名な方とコネクションがある店舗。技術の向上はもちろん、お客さんが喜ぶ姿を間近で見れる充実感もありました。
ですが、1年過ぎると女優の夢が再燃してきまして…(笑)。退職し、アルバイトで生計を立てながら、舞台女優の活動を始めました。
――その間、お子さんがふたり誕生している状況ですよね!?育児×仕事×劇団。バイタリティすごいですね…。
戸田 やりがいを感じながらも、仕事は早朝から夜中まで。自分の時間はないんですよね。
「長く働くのは厳しい環境だな…」と考えていた時、「人生って一度きり。やりたいことやらずに死ねない!」って思ったんです。
フリーランスからスタートし、その後、小劇団に所属。次男の誕生もあり、現在女優活動は休業中ですが、またどこかのタイミングでやりたいと思っています!
――舞台女優を続けながら、2012年恵比寿のカフェで働いていた際、オーナー様との会話をきっかけに「ままがし」を開業なさいました!
戸田 その方は当時妊婦さんで「お母さん(ママ)に向けたサービスができたらいいよね」と常々会話していました。
「ママ×お菓子…」その言葉がグルグルと脳内を巡っていたある日、「ままがし」という言葉が降りてきました(笑)
時にママはおんぶをしながら、掃除機をかける。息つく間もなく、お風呂に入れたり、夕飯の支度。そんな時に、椅子に座って食事をする時間は中々取れません。
「パクッと食べられ且つ栄養があるものが欲しい…」そう私も思っていました。
そんな働くお母さんと子どもの「あれもしたい、これもしたい」―――。そんな”わがまま”を叶えるお菓子を提供しよう。想いが言葉になった瞬間でした。
――2016年に独立し、同年11月”ツクツク”参入。起業に対する恐怖や不安はありましたか?また、ツクツク導入の背景もお聞きしたいです。
戸田 正直、起業への不安とかはまったくなくて(笑)。昔からなんとかなる精神があるんです(笑)
ツクツクは以前、カフェで働いていた時のご縁がきっかけ。お客様の認知獲得のため、まずは物販に力を入れたかったこと。それと、サポートが受けられることも大きかったです。
――僕もわからないことがあれば、すぐに連絡させてもらっています!(笑)なにより、年上で経営者の方の存在は心強いです。
戸田 私も色々な方にサポートして頂きました…!そうして、与えてくださったものを他の方にもお伝えし、なにかの一歩に繋がれば最高だなって思いながらサポートしています。
なにより私自身が楽しいんです(笑)。多様な考えやアイデアも学んでいける。事業者様へは”バックアップ”を。私自身は”アップデート”されていく感覚があります。
正直、個人事業主はひとりじゃないですか。一方、ツクツクという共通のツールがあることで他業種の方との交流やコラボ企画も生まれやすいんです!
――「ままがし」のインスタ構築に始まり、企業コラボ、スイーツコンサルなどを経て、開業から9年が経過しました。改めて、「ままがし」が持つ価値はどこでしょうか?
戸田 「全部」と言いたい所ですが…(笑)。「ままがし」を食べたら、「グルテンフリーってこんなに美味しいの?」って思ってもらえる自信があります。
それと、人との違いをひとつにできるお菓子なんじゃないかな。
保育園や幼稚園では、子ども達にお菓子を提供くださいます。ただ、アレルギーの関係でバラバラなものを食べることも少なくありません。そんな時、「なんでぼくだけ?」と感じてしまいますよね。
ですが、「ままがし」ならみんな同じものを食べられる。違いを認めつつ、一緒のものを楽しめるんです。
――お子さん誕生後も自身の”やりたい!”に率直なのが印象的です。なにが挑戦や行動を後押しするのでしょう?
戸田 子どもの存在が大きいです。この数年は両親と姉が私に代わって、子どもたちと遊んだりしてくれています。
子どもたちからは「お母さんは忙しいから遊んでくれない」と認識している程です。
じゃぁ、なぜ頑張るのか。それはやりたいことをやらせてあげるため。私自身、昔からチャレンジすることに対して両親に「NO」と言われたことが無かった。「やってみたらいいじゃん!」と背中を押してくれていました。
そんな風に私自身も子どもの可能性をつぶしたくない。「母ちゃん!海外留学行きたい!」、「いいじゃん!行ってきちゃいな!」とすぐ言えるような母でありたいです。
――「人生一度きり。やりたいことをやる」この言葉は星紗さんの人生観を表すワードかと思います。ある意味、ご自身が”わがまま”(人生を真剣に生きる)な気がします。
戸田 なんでも、やってみなきゃ成功するか失敗するかもわからないですよね…!
本当に昔からなんでもやる子ども時代でした(笑)。学級委員はやるしムードメーカー。でも、校則は守るけど、言われたとおりにやるのは嫌な生徒。昔から自由でいたいんです。
あれ?それってわがままっていうんですかね?(笑)
――いつも星紗さんにお会いすると、元気をもらえます!さいごに今後の展望をお聞きしたいです!
戸田 「ままがし」のお菓子をコンビニやスーパーに並べたいです。巷にあるお菓子も美味しいですが、添加物が多いのも事実。週に何回かグルテンフリーをお母さんや、子どもたちが選んでいただけたら嬉しいです。
ツクツクでは今後もサポートを続けていきます。こんなご時世ですが、いずれツクツク全国ツアーができたら最高ですよね!いろんな事業者さんを巡る旅。まだ見ぬ世界を知りたい、行きたい、体験したいです!