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『あなたの人生を記録する』

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人から生まれる不幸を無くす。それが自分の使命 河野真也(26) 芦名表参道/BEATS/営業

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いつもバックには小説を忍ばせていた彼

 大学時代の友人。在学中は一緒にフットサルをしたり、これまでインタビューで紹介した友人達と、キャンプに行ったこともあった。

 卒業後の彼はネットを通じてなんとなくは知ってはいたが、最近パーソナルジムの運営を始めたと知った。いずれは、インタビューをしたい。と思っていたが、何かのタイミングだと感じメールを送信。久しぶりの連絡にも関わらず、承諾してくれた。

  なんてことない1通のメッセージ。彼の人生も、それをきっかけにすべてが好転していく。

 

両親の離婚とホームレス

 埼玉県に生まれ、1つ上の兄と両親4人家族。程なくして両親が離婚。彼が5歳の時に、母親に引き取られた。3人の生活は豊かな暮らしとは言えなかった。

 「1年間ぐらいはホームレス生活だった。家や食べる物も無く、教会や警察、病院に寝泊まりしながら、生活していた」

 小学校1年生の時に3回の転校。通っているのも、数日程だった。そのうち、母親も倒れてしまい、生活が立ち行かなくなった。その後は、兄と児童養護施設で7歳から19歳まで暮らす事となった。

 

サッカーしかなかった中高生時代

 入居後は安定した生活が待っていた。小学校でサッカーと出会い、中学校はサッカー部に入部。市選抜にも選ばれ、キャプテンを任された。「自分にはサッカーしかなかった。勉強が苦手だったから、自分の学力で進学でき、プロサッカー選手の道がある高校を志望した」

 全国出場経験のある強豪校に入学。日々練習を積むが、レギュラーにはなれなかった。「2年生の頃には、自分はプロになれないと分かっていた。現実を知り、練習に行かなくなった」


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新たな情熱となった”ギター”

 唯一自分が没頭できたサッカー。新しく情熱を掛けられるものを探し求める中、養護施設の職員さんの部屋に置いてあったギターに惹かれた。「最初は音を出す程度だったが、ドンドンのめり込んでいった。夜中の3時までギターを弾いて、翌日学校には遅刻する生活になった。振り返ると、自分の人生の中でサッカーとギターだけが情熱を掛けられる物だった」


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バンドに没頭した大学生時代

 高校卒業後は大学に進学。「授業よりも、バンドとアルバイトメインの生活だった」メンバーはお兄さんと高校の友人と5人で組んだ。80年代のイギリスのバンドをイメージとしして、主に川越や大宮でライブなど行った。アルバイトは居酒屋で働く事が多かった。

 

社会人1年目の働き方

 卒業後は営業職に就いた。それまでの学生生活とは違い始発の電車に乗り、終電で帰宅する生活で、休みは月に3日程度と身を粉にして働いた。

 「自分は仕事ができる。営業でもどのような仕事でも自分はやれる。そう信じて仕事をしていた」しかし、思うような結果は出なかった。環境を変えれば成果が出ると思い入社から半年後に転職。

  

可哀そうだね。そう言われる度に

 社会人となり、自身の身の上話をすることも増えた。両親のことや、生まれ育った児童養護施設での生活。しかし、周囲からは貧しい子というレッテルが貼られた。

 「自分の幼少期の事を話すと『可哀そうだね』『ひとりで苦労してきたんだね』と勝手に決めつけられた。なによりも、自分が”可哀そうな子”と思われる事に、苛立ちを覚えた」

 ”養護施設だったから”その、レッテルを剥がそうと転職先の保険会社の営業でも結果を出そうともがいた。

 

言い訳を重ねる自分

 「2社目でも自分はイケるという気持ちだった。しかし、チャレンジし続けるが成果として表れない現状は変わらなかった」またしても、前職と同じような状況となった。

 「『そもそも、保険売りたいわけじゃない。』とか考えるようになった。営業先でも、自分の言葉で明確に商品の良さを言えない。なのに、お客さんには『僕が責任を持って担当するので安心してください』と言っている。周囲の環境を理由に言い訳をする自分が情けなくなり、こんなはずじゃなかったと後悔した」

 

え!?ハリウッドに挑戦…?

 次第に人生への行き詰まりを感じながら働くようになった。そんな中、ある記事を目にした。25歳で大手保険会社勤務。月収数千万円を得ながらも、2年後に退職。その後は、一転ハリウッドで俳優デビューした人のインタビュー記事を読んだ。

 「そのまま会社にいれば、富も名声も得られた。それらを捨て、自分の好きな事に進む姿に衝撃を受けた。フェイスブックから直接連絡を取った。忙しい中時間を作ってもらい、渋谷のホテルのラウンジでお会いすることができた。」

 

とにかく正直に生きる

 その時に、自分の能力ではなく、可能性を信じようと思わせてくれたと話す。「当時、自分は仕事で思うような結果が出ずに言い訳をしていた。能力ではなく、自分も可能性に掛けようと思えた。そして、いつか絶対この人と仕事がしたい。と思った」その出会いをきっかけに、これまで以上に正直に生きていこうと決意した。

 その後、保険会社を退職。ごみ収集車や工場、介護施設で働くなど、様々なことに挑戦した。「1回しかない人生をどのように生きるかが大事だと思い退職した。自分自身がなにをしたいのかを模索できた2年間でもあった」

 

出会いを形にできた現在

 退職し2年が経過したある日、渋谷で会った方が立ち上げたパーソナルジムの新規プロジェクトのメンバー募集を目にした。一緒に仕事がしたいと思った熱意は常に持ち続けており、すぐさまエントリーし、営業として採用された。

 今年の8月代官山に1号店となるパーソナルジムをオープン。会員数の増大に伴い、2号店を麻布に出店。翌年、1月下旬には表参道にもオープン予定。

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ジムの名前は”BEATS” ”死を感じるほどに脈をあげてほしい”というテーマの元、名前は決まったようだ 

 

コンセプトは”死を感じる”

 パーソナルジムは料金が高いイメージがあるが、業界にはない価格を打ち出している。その背景には、巷でよく目にする”あなたも鍛えて痩せましょう”というコンセプトとは異なる。

 「”死を感じる程に脈をあげてほしい”のがコンセプト。営業する際には、”うちでトレーニングすれば痩せますよ。”とは一切言わない」”死”がテーマのパーソナルジム。聞いたことがないコンセプトと思い、掘り下げた。

 

動物は20億回、脈を打つと死ぬ

 「人間は脈を打つと幸せを感じる。ジェットコースターやお化け屋敷、大勢の前でのプレゼン。ドキドキするけど、達成感を得られる。しかし、あまりに平和に暮らせる日本では、脈を上げる機会が極端に少ない。たぶん、5年後も自分は生きていると思っている人達がほとんど。だからこそ、運動を通して”死を感じる程に脈を上げよう”というのが根底にある」

 豊かな暮らしの警鐘がそこにはあった。物に溢れ、寝食も保証される日本。それにも関わらず、自殺者やいじめが後を絶たない。運動を通して、生の実感を感じさせるためにパーソナルジムを開いたようだ。

 「ジムの仕事をしている。というよりも、僕のビジョンである、”人から生まれる不幸を無くすための仕事”をしている感覚。代表から、創業理由を聞いた時、本当に文化として根付いたら、世界はすごく面白くなると思った」

 

自分の中にある明確な想い

 彼のビジョンは仕事だけでなく、人生のテーマでもあるようだ。なぜ、”人から生まれる不幸を無くす”という想いは生まれたのだろうか。

 「仕事や人間関係すべてに置いて、人との価値観の違いを受けいれられずに苦しんでいる人が多いと思う。自分と周囲を比較し、他者を攻撃したり、自分を責めてしまう人。それらを解決するために今は生きている。自分の感情と向き合いながら、受け入れることができれば、豊かな暮らしがあると信じている」

 生をテーマにした彼の根源的な部分を垣間見た。その一端を作り上げたのは、養護施設での生活があったのだろう。インタビューの最後に、これからは養護施設に恩返しをしていきたいと締めくくった。

  

BEATS公式ホームページ 

www.beats-ao.com

彼の自己紹介ページ

www.beats-ao.com

※運営スタッフ、営業職、トレーナーなどを募集中とのこと。

詳しい情報や、ご興味のある方はご連絡ください。

 

さいごー人生で起きるすべてを受け入れる

 失敗の理由を自分の育ちや、身の回りの環境、時間がないなど、言い訳はいくらでもできる。もし、前進し周囲を見返したい。と思うのであれば、ダサい自分も、成果がでない自分を認めるしかない。

 自身の想いが詰まっている会社。自分のビジョンを胸に働いている彼の言葉と眼差しからは、充実感がうかがえた。より良い社会を形成するために、これからもフィットネスを生活の一部に定着させていくことだろう。

 最後に彼から行動することが、変わっていくことの一歩。と伝えてくれた。

 「自分で興味を持って送った、たった1通のメールが今に繋がっている。大きなことにチャレンジするのは無理でも、日常の中にある小さな事から取り組むことが重要だと今となっては思う」

 これからも、貪欲に「インタビューさせてください!」と色々な人を巻き込んで、新たな世界を覗いていきたい。

 

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