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『お前おもろいな』USJでの出会いが導いたビジネスの世界 仲井正宗(22) AOHLDGS

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岐路に立つ

 AOHLDGS森山佳樹さんからの紹介で、お会いしたのは仲井正宗さん。以前は森山さんと同様、大学生時代はNTTの代理店営業をしており、森山さんの家に住んでいた時期もあるなど、仕事以外でも深い関りがある。

 「めちゃくちゃおもろいやつがいるんですよ。高橋さんに紹介していいですか?」という言葉を添えて紹介頂いた。

 

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 インタビューしたのは4月上旬。人材派遣会社の営業として働いてる仲井さんは、より熱い仲間と、そして目標とする人を超えるため新しい環境へ挑むところだった。

 

いじめに合う 

 大阪府出身のどこにでもいるサッカー少年。しかし、小学校6年生のときいじめにあった。

 「当時、8人ぐらいのグループにいたんですけど、僕はその中で一番背が低くて、一番貧乏。立場が弱くて、殴る蹴るなどの軽いいじめがありました。そのときに感じたコンプレックスが、今の自分を作っていると言えます」

 ひとり校庭でサッカーをしてもいじめられてしまう。好きなサッカーをするめには、そのグループに身を置くことが唯一の手段だった。

 

堂々巡りの環境

 中学校入学後はサッカー部に入部。1年生からレギュラーだったが、身体能力が上がらず、3年生にはベンチ。決して文武両道とは言えない、普通の中学生だったそうだ。

 「引退後早々に高校の進路も決まりました。時間も余ったため、放課後にちょっと悪い人たちとツルむんですね。ただ、小学生の時と同様にグループの中で底辺。また、いじめに合う。小・中と似たような環境だったんです。いつも堂々巡り。そんな自分を脱却するべく、”なにかで一番になりたい”そう強く思うようになりました」

 

「ありがとう」が伝えられなかった後悔

 人生の中で今も後悔していることがあると言う。母親への感謝の言葉だ。小学校2年生の時に両親が離婚。母親に引き取られるも、それまでの生活とは一変。母親の彼氏からDVを受け、金銭面的にも苦しい生活だった。

 「母親のことは今も昔もとても感謝しています。サッカーも習わせてくれ、好きな所に行かせてもくれました。高校入学と同時に寮生活になるんですが、入寮当日に母親が見送りに来てくれたんです。わざわざ来てくれた母に対して『これまで、育ててくれてありがとう』。と目を見て言えなかったんですね。そっけない態度を取ったのを今でも覚えています。母は生きているのですが、あの時から今日に至るまで『ありがとう』と今も言えないでいます」

 

サッカーでは一番になれない

 母親への恩返しのため。そして、自分が好きなサッカーにすべてをかけた。全国大会出場歴のある、仙台市の聖和学園に進学。しかし、現実は甘くない。

 3年生時に全国大会に出場するもレギューラー入りは果たせず。Bチームで作ったフットサルチームで全国大会に出場するもベスト16。

 「一番になりたいと強く願って、努力しましたがダメでした。サッカーで自分は一番になれないという事実を知り、目標を見失いました」

 

USJにブルマ姿の集団

 大学進学を期に関西に帰省。遊びとアルバイトの日々。刺激が無かった日常に転機が訪れる。

 「2015年10月30日。今でも忘れられない一日です」そう熱く語り出した。

 「僕の誕生日で友人とUSJに行ったんですね。すると、後ろから『そこの、兄ちゃん写真撮ってーや!』と声かけれました。パッと振り向くと上は体育着に下はブルマ姿の5、6人の集団でした(笑)めちゃくちゃビビりながら、僕も寝っ転がったり、面白いポーズを取って笑かしながら撮っていたんです」

 

 

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 必死になって写真を撮る仲井さんを見て、「お前めっちゃおもろいな。一緒にビジネスやろうや」と声をかけたそうだ。
 「完全に危ないなと思いました。(笑)SNSでよく見るベンツの横に札束置いてる人達。最初はそんなイメージで断りました。(笑)ただ、色々と話を聞いていると、学生が主体となって本気で仕事をしている。熱い集団の集まり。そんな部分が垣間見えたんです」

 誘われた先がG‐cruise。身体能力が全く関係ないビジネスの世界。自分が一番になれる可能性を感じ、大学1年生の12月に完全歩合の世界に足を踏み入れた。

 

 レジ打ちもできないアルバイト

 アルバイトとは異なり、完全歩合では自ら契約を獲得しなければ給与は得られない。しかし、そのアルバイトで満足に仕事ができなかった過去がある。

 「最初のアルバイトはラーメン屋でした。ただ、3か月経ってできたのは皿洗いだけ。餃子を焼くのも任されたんですけど、何度やっても焦がす。次のアルバイトはカフェ。そこでは、レジ打ちすらも全くできなかったです。ボタンは多いし、クレジットカードの決済。レジ自体が全くわからなかったです」

 怒られることもあったが、”決められた時間の中で働けばいいでしょ。”という気構え。そのためメモも取る事も無ければ、わからないままで終わらせていた。

 「今振り返るとありえないですよね。仕事に対する向き合い方が未熟でした」

  そのような学生が各家庭を訪問し、契約を得る。それまでの人生では想像できない世界を選択した。

 

猛烈なインプットとアウトプット

 ただ、それまでの自分とは180度変わった。営業のイロハを知るため、先輩社員である森山さんの営業に同行。一言一句メモし、営業スタイルを自分の中で確立。多い時は日に1,000宅に訪問。

 「毎日PDCAを回し、自分の形を作り上げる。徐々に収入も得られました。自らが動き知識を増やす。すると周囲の人々やお金も動くことを体験できました。少しだけ社会を知り、将来のことも考える学生へと変化できたんです」

 

自分と似たやつらを変えたい

 「僕は元々いじめられっ子で、サッカーで一番にもなれなかった。翻って、自分と似た人も多いと思ったんですね。どこか自信が無くて、仕事に対しても情熱を捧げていない人。その時、”こんな自分でも変われたんだから、他の人も変わることができる”と思いました。非常にもったいないなと。そういう人達を少しでもかっこよくする場を提供したくなりました」

 

20歳で起業。1年で退く

 G‐cruiseを退社し、大学2年生時に株式会社Newee(ニューイ)を設立。訪問販売を軸とし、多い時で大学生を20人程雇った。仕事を通して、同世代の人達をどう成長させるかに情熱を注いだ。そこでも新たな気づきがあった。

  「徐々に目の色が変わり、成長に伴い稼げる人たちが増えました。しかし、自分は社会の成り立ちを知らないなと痛感しました。目の前の学生を変え、利益を生み出す。ただ、そのサイクルの中には、常に社会という大きなファクターがあるじゃないですか。それを知った時、これまでの成果は狭いコミュニティの中だったと気づきました。自らが社会の中に飛び込むことで、世の中の仕組み。さらにはその中に潜む光と影。そういったことを学びに行く必要があるなと」

 

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同社の誕生日会での写真。写真上段、右から2番目に仲井さん


 

かっこよくなれる姿を一緒に探す

 21歳の時に自ら立ち上げた会社を退社し、同時期に大学を退学。

 心機一転人材会社に転職した。就活生と企業のマッチングが主な仕事だ。

 「G‐cruiseとNeweeの経験から、人をいかに変化させ輝かせるのか。これが明確な軸になりました。その中で、男女問わず就活生各々がかっこよくなれる姿を見つけることが僕の使命です。極論ですが、『あたながかっこよくなれると思うのであれば、うちのクライアントじゃなくてもいいよ』と伝える時もあります」

 入社から1年程経ち、様々な学生を企業へ導いた。時に、学生の抱く理想と現実とのギャップ。企業の一員として働く事で光と影を体感できた。

 

誰かを超えるという目標

 このまま勤めれば年収も1千万円得られるが、自分が更に熱い仲間と、なにより超えたい人がいる傍で働こうとしている。
 「このインタビューの翌週にAOHLDGSの面接を受けるんです。社会人で完全歩合。新たな挑戦です。その選択もやはり、佳樹君の存在が大きいです。あの人を超えることが僕の目標なんです。時に、叱ってくれ、成長もさせてくれました。そして、常に佳樹君の周りには熱い人が揃っている。その集団がAOHOLDG。受かるかわかりませんが、そこでしのぎを削り、高め合える環境で働きたいです」

 

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見事、AOHLDGSに入社。隣には目標とする森山さんと

 

さいごーありがとうを伝える日

 USJでの急な誘いに飛び込んだ。一見すると向こう見ずな気もするが、選択をしたらあとは動き修正することがベスト。なにを選択してもその中で如何に事を成すかが成長を促す。

 「僕がこれまでビジネスにハマったのはもちろん、お金を稼げることが少なからずあったとは思います。ただ、一番大事なのは熱い仲間と一緒に働くことなんです。小・中のいじめられていた自分が、今の自分を見たら信じないかも知れないですね。(笑)」と苦笑したが、着実に成長を重ねている。

 「お母さんにありがとうと言える日はそろそろ近いです。根本めっちゃ弱いんです。色々そぎ落とすと、残っているのはネガティブな自分。ただ、その自分をわかっているからこそ、ポジティブにもなれると思っています」

 インタビュー後、改札まで見送ってもらい、「今日はありがとうございました」と笑顔の仲井さん。その笑顔は私が階段を降りるまで続いた。お母さんに感謝を告げる日も彼は優しい笑顔を浮かべているだろう。

 

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AOHLDGSメンバー

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