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『私も頑張ろう』を届けたい

お金で解決できない部屋づくり――心の整理収納 渡邊亜希子

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【渡邊亜希子(わたなべあきこ)愛称”くしこ”】東京都出身。1978年4月生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。2015年ハウスキーピング協会整理収納アドバイザー1級取得。講師/リフォーム相談なども請け負う。ご家族のライフステージの変化に合わせた部屋作りを提案している。

 

 

 自宅でのパソコン作業中に、ふと思う。部屋が汚い。いつ着たかわからないシャツが”へ”の字で散乱。空のペットボトル。しかし、子育て真っただ中の部屋はそれだけには留まらない。

 

 目に見える綺麗さだけではない。『どうして私は…』と、自分を責め、悩むお母さん方の”モヤモヤの溜まり具合”も行き場を失っていることを知った。

 

 整理収納アドバイザーの渡邊亜希子さん(以下、愛称の”くしこ”さんと表記)は、いわばママたちのカウンセラー。

 

 限られた時間の中で、それまでの人生と今を聞き取り、未来の空間を作り出す――。

 

紆余曲折

 

――本日はくしこさんのご自宅にてインタビュー!思わずキョロキョロしちゃいます(笑)。いきなりですが、幼少期はどんなお子さんだったか覚えてますか?

 

くしこ 1週間に3回ジャンパーを学校に忘れては無くしたり。電車の荷物置きにそのまま置いて下車しちゃったり。どこになにを置いたかわからない子でしたね…(笑)

 

 それでいて、部屋の模様替えがはよくしていました!好きな部屋を想像したり、物を工夫して可愛くするのが好きでした。

 

 

――僕も遊んだまま物を無くしてしまうことありました…(笑)。亜細亜大学経営学部ご卒業後、動物の専門学校進学されました!

 

くしこ 『将来、もし自分で事業を起こした際に役立つかな?』と、思い同学部を選びました。もちろん、今の仕事を想像していませんでしたが、結果的に当時の学びは非常に役に立ちました。

 

 小さい頃の将来の夢は盲導犬の調教師。大学卒業後も専門学校で学びながら、やりがいがある仕事だなと実感しましたが、給与面で断念し卒業後はOLとして働いていました。

 

友人からの言葉とママたちの叫び

 

――2011年にご結婚。ご自宅をご友人に招いたことがきっかけで、整理収納アドバイザーのお仕事を始められたそうですね?

 

くしこ 当時も古い空き箱や缶を使って小物入れを作るのが好きで、それを見た友人が『それ可愛いね!』と、褒めてくれたんです。

 

 その瞬間、『各家庭に眠っている物を生かせるかもしれない…!』と思ったんです。

 

  好きで買った物も、時間が経つと愛情が薄れたりするじゃないですか?それを少しの工夫と使い方の再提案をして、出会ったときの気持ちに戻せるかもしれないと感じました。

 

 

――自分のアイデアが褒められるというのは嬉しいですよね!他にも事業化を後押しした理由はございましたか?

 

くしこ 育児、家事、仕事に追われて片付けに困窮するお母さん方が本当に多かったことも理由のひとつでした。

 

 もちろん、結婚と出産は幸福な出来事ですが、苦労が伴うのも事実。特に、出産直後は精神的にも追い込まれ、ふとした言葉で心も折れてしまいます…。

 

 

――そんなときに部屋の片付けまでは手が届かない…?

 

くしこ そうなんです…。ハイハイから歩くようになるだけでも、気に掛けることもグッと増えます。

 

 日々の疲れからモヤモヤは溜まり、余裕の無さから部屋は物で溢れかえる。『どうしてできないのかしら…』と、その状況にも自分を責めてしまう…。抜け出せない悪循環に陥ります。

 

 可愛いというデザイン的な整理収納に加え、お母さん方へのサポートの想いも相まってこの仕事を始めるに至った理由でした。

 

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講座の様子 

『最初はモニターでお客様を募り、口コミで広がっていきました。中には5,6年継続してくださるお客様もいらっしゃいます』

 

”今”と向き合う会話

 

――これまで延べ500名様以上のご家庭でお仕事をされてきました。どういった流れで始まるのでしょうか?

 

くしこ 『片付けが苦手なのですが、どうしたらいいでしょうか?アドバイス頂けますか?』と、ご連絡を頂く事が多いです。

 

 ご自宅にお伺いし、カウンセリングと1か所お片付け。継続される方もいれば、初回のご訪問でスッキリする方も!

 

 『実は家族とのコミュニケーションや、私の心持ちが変わる必要があったんですね!』と、カウンセリングを通して気づきを得られる方もいらっしゃいます。

 

 

――目の前の状況を好転させる以前に、深いコミュニケーションも必要とされるんですね!

 

くしこ 『部屋のスキマは心の余裕』という言葉があるように、お母さん方は様々な要素が絡み合って暮らしています。

 

 心の余裕を知るためにもカウンセリングは不可欠なんです。ましてやママたちは今を振り返る時間さえ中々取れません。

 

 だからこそ、手を動かす前に改めて『今なにを抱えているのか?』を会話をしながら見つけていきます。その後に、『片付けが必要な場所や物はなにか?』と向き合います。

 

 『部屋を綺麗にしたい』という想いの裏には、不満・不安・不信が隠れています。その肩の荷を少しでも下して差し上げるのも私の仕事かもしれません。

 

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くしこさん家のリビング

 

取捨選択の数

 

――そういったママたちの声を汲み取り、どのような整理収納や部屋作りを意識しているのでしょうか?

 

くしこ ”迷わなくて良い部屋づくり”を心掛けています。

 

 人は1日に平均3万5千回、取捨選択していると言われています。その状況で、仮に子ども3人いたらゾッとしませんか?(笑)

 

 あっちでは『トイレ行きたい!』

 こっちでは『ママ、お腹すいた!』

 ふと目を向けると、イタズラ真っ最中…(笑)

 

  そんなときに、トイレを汚してもいい床、割れないお皿、サッと掃除できる仕組みづくりなど、ママのやらなきゃを減らし、簡単に基に戻せる部屋をご提案しています。

 

 とにかく片付けなきゃ!と、意識している方も多いのですが、完璧に手が回らないのが現実。『決して悪い事ではありませんよ…!』ともお伝えしています。

 

遺されたモノ

 

――子育て世代に向けたサービスが印象的ですが、遺品整理も行っているそうですね?

 

くしこ 特に信頼関係が必要とされる内容です。

 

 ここでもいきなり整理をする事はありません。『どんな人生を共に歩んできたのか?』、『今どんなお気持ちなのか?』お話を伺い、まずはご遺族の身の回りから整理。心の準備ですよね。

 

 その後、現実と向き合う。例えば『スーツにカビ生えてたのね…』というような。日常の物を手に取り、生前と今を重ね少しづつ整理をしていきます。

 

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『私自身、中々想い出の物が捨てられなくて…(笑)子どものお弁当箱も取っておいてるんです。”使う”か”使わないか”の二択がすべてじゃないと思うんです』

 

 

人間ドラマと情

 

――整理収納を生業とする方は勝手に”合理性”や”スピード重視”というイメージを抱いていました。一方、くしこさんからは人間味が溢れて出ています。

 

くしこ 華やかな方も多い世界ですが、私はちょっと違うかも知れません。最初のカウンセリングで私が泣いちゃったりしてね(笑)

 

 人にはコンプレックスや見せたくない一面があると思うんです。胸を張ってその道を選んだ人もいれば、挫折をしたうえで選択した人生。

 

 人間ドラマを知れば知るほど、『より良いお部屋づくりがしたい』と、いつも思います。

 


www.youtube.com

くしこさんのお仕事現場を撮影してきました!

さいご

――本日はありがとうございました!それでは今後の展望をお聞きして締めようと思います!

 

くしこ 妊婦さんや、出産後のご家庭に提供できればと考えています。

 

 せっかく好きな人と結婚して、新たな生活を共にしていく。暖かな想いを抱きながらも、子どもが誕生するとそれまでとは異なる衝突が訪れます。

 

 これまで、最初の小さなスレ違いが、後に大きな隔たりを生んでしまうご家庭も見てきました。未然に防ぐためにも、私がそばにいることで少しでも緩和したいと思っています。

 

 笑顔が増えれば、家族みんなが幸せ。思いやりの連鎖が増えていくよう、これからもこのお仕事を続けていきます!

 

 

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