目標を叶えて
以前のインタビュー時は、青森県のJFLチームにて、運営や広報を担当していた藤原大輔（ふじわらだいすけ）さん。
現在は滋賀県のJFLチームに在籍。小学生を対象としたスクールのコーチと、女子中学生が20名程在籍する下部組織のコーチとして働いている。
前回のインタビュー終わりに、「いつかコーチとして働きたいです」と言っていたが、およそ数が月後に目標を達成。
新天地で働き始めた彼の現在とはーーー。
チャンスは突然に
――久しぶりだね！(笑)以前は、青森のチームに在籍していたけど、今は滋賀県のクラブ。どういういきさつだったの？
青森のクラブにいた時は運営などの裏方がメインの仕事でした。
ただ、より密に選手たちと勝利を分かち合えるコーチの姿を見て、『いつか現場コーチをやりたい』と、思っていました。
そんな時に、声をかけて頂いて。まさかこんな早くに実現できるなんて自分でも驚きです(笑)
『やってみる価値はあるんじゃない？』
――でも、それまでは指導者ライセンスも持っていなかったんだよね？
持っていなかったです。
なので、やってみたい。という強い気持ちはあるものの、『経験も資格もない自分に教えることができるのか？』という疑問を監督にお伝えしたときの言葉が決断を後押ししてくれました。
『もちろん、資格やライセンスも大事。だけど、資格がなくても教えるのが上手な人もいる。やってみる価値はあるんじゃない？』
そう、仰ってくださって。その時、改めてこのチャンスを掴みたいなと思いました。
少女たちはプロを目指す
――そうして、新天地で働き始めたのは2019年4月。やっぱり、教えてみて楽しい？
楽しいです！
小学生のスクールでは戦術や技術ではなく、まずは『楽しんでもらう』ことを意識しています。なので、子どもたちのリアクションも見ているだけで楽しいですね(笑)
その一方、下部組織の選手たちは女子中学生なんですが、プロ意識を持つ子も多くて最初は圧倒されました！
もしかしたら、男子よりも負けん気が強いかも知れません。自分のプレーが上手くいかなかった時は、隠さず苛立ちますし。その分、教えるときも本気なので、違った楽しさがありますね」
そこに信頼関係はあるのか？
――すべてが初体験の仕事内容なわけでも、特に重要視していることはあるの？
選手とのコミュニケーション。信頼関係の構築ですね。
練習を仕切る。という意味では、アウェー時の帯同対応、そこに連れていくまでの計画。そういった練習外でのマネジメントも選手との信頼関係に影響すると最近痛感しています。
どれだけ、スキルや戦術面のことを伝えても、信頼されていなければ説得力も生まれないので。
常にあるのはチームを良くしたいということです。
その中で本当の正しさとはなんなのか。と、自分に問いかけてます考えています。
褒めるにしてもどんな言葉をチョイスし、更なるやる気を引き出させるのか。今後、選手が増えていく状況。
早くひとりで練習を任せてもらえ、チームに必要な存在となっていきたいです。
選手からのコトバ
――働き始めて半年。まだまだ学ぶことは多いだろうけど、今のやりがいは？
コーチ陣からは「選手たちと年齢が近いからこそ、親しい存在でいてあげてね」と言葉をかけて頂いています。
誰かから求められているのはやりがいです。
僕は、他のコーチ陣とは別メニューを取り入れているんですが、ある選手から『面白かったから、またあのメニューやって！』と言ってくれて。
本当にうれしかったですね。ただ、選手からは『大輔』と呼び捨てされる時もあるので、そこもマネジメント力が必要ですね(笑)
”場所”よりも”やりたい”こと
――久しぶりの再会だけども、楽しそうに仕事しているようで嬉しいよ！
ありがとうございます！(笑)
滋賀に来たこともあるのか、最近『行動力があるね』と、言われるんですけど、僕自身、好きな事ができるのなら、場所や周囲の環境というのはあまり関係ないかも知れません。
ただ、自分の好きなことがサッカーで、それがたまたま青森県や滋賀県だったというだけで。やりたいことがあればどこでも行くんだと思います。
知らない土地で、ゼロからのスタート。
そこでなにかを作る事にワクワクするんです。これからも心底好きなサッカーで新たな出会いを楽しんでいきます。
