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『僕にとっての生きる使命、それは人と人を繋げることにあると思っています』―――狭山市の文化を後世に遺したい 猪野木健一(43) 会社員/狭山王子

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狭山市で人と人を繋ぐ存在になりたい

 現在は会社員として働きながら、この1年間狭山茶や飲食店などの発信をSNS上で続けてきたのは猪野木健一(いのきけんいち)さん。

 

 「狭山市も、近年シャッター商店街が目立ち、名産品の狭山茶も急須で入れる人で減ってきています」

 

 昔ながらの文化が消えてゆくのが悔しいんです。今は、狭山市にしかない文化を後世に遺したいとSNSを使って発信しています」

 

 「お茶や自然、そして人々に触れてもらえれば、ここの良さや人々の魅力が少しでも伝わると僕は思っているんです」

 

 現在は物流会社で働く猪野木さんだが、なぜ人を繋ぐこと、そして狭山市に興味を持ったのだろうか―――。

 

 

大人になれば変わるハズ

――頂いた自己紹介文を見ると、学生時代にいじめに合っていたと書いてありました。お聞きしにくいですが、どういう学生時代を過ごしていたのでしょうか?


 小・中と典型的ないじめられっ子。殴られたりもしていましたね。

 

 加えて、『猪野木』と名前を呼ばれるだけで、いじめられてる感覚があって。当時は、自分の名前が嫌いでした

 

 それでも、周囲に反発したり、不登校になることなく、『自分さえ我慢すれば済む』そう思いながら学校生活を過ごしていました。

 

 なので、大学や専門学校に行けば、いじめもなくなると思っていたので早く大人になりたかったです。

 

 

ヒトではなく、モノを運ぶ

 ――鉄道高校に進学。卒業後は鉄道会社に就職を考えていたそうですが、なぜ大学進学をされたんですか?

 

 父親の方針で大学には行って欲しかったんです

 

 ただ、大学進学するも、鉄道に興味があった私は4年間具体的にやりたいことはありませんでした…

 

 大学卒業後こそは鉄道会社に就職しよう!と思ったんですが、自分のしたい仕事とは外れる仕事内容。

 

 そこで、ヒトではなく、モノを運ぶのも良いかな?と思い、今も勤める物流会社に就職しました。

 

 

届けるのは想い

―― 現在で入社して20年が経過。2年前よりJリーグチームのグッズ販売の出荷業務を行っているみたいですね

 

 時に人間関係で悩むこともありましたが、今は楽しく働けています

 

 主な業務は商品の梱包や配送手続き。現在はクラブのファンであるお客様に直接手に取って頂く。グッズの梱包にも想いを込めるというか―――。

 

 それまでは、サッカーに関してはあまり興味がありませんでしたが、去年はJリーグ開幕戦を見に行きました。

 

 自分たちが配送したユニフォームをサポーターの人達が着用して頂いている。すごい嬉しかったですね。


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人から求められるということ

 ――そして、2年前から狭山市に住み始めたことをきっかけに、情報発信をスタート。どういう経緯で始められたんですか?

 

 仕事の都合で狭山市に住み始めることになりました。

 

 そんなある日、知人から『日本茶インストラクターをご存じですか?』と言われまして。探したところ、新狭山にある横田園さんというところがあったので通い始めたんです。

 

 すると、『私が期待に応えられるかわからないけど、手伝うよ』と言って頂いてて。それから、1年間ほど狭山市の飲食店、居酒屋さんを巡るように

 

 徐々に友達の輪がどんどん広がっていきました。今では、スーパーで声をかけられたりもします(笑)

 

人から得られる喜び

――意外なきっかけでしたね!(笑)とは言え、それまでは縁も縁もない狭山市。活動を継続されてきたのには、なにか理由があったんですか?

 

 横の繋がりや、人との繋がりに魅力を感じたのかも知れません。

 

 ある時、洪水による避難指示がスマホに届いたんですが、まだ来たばかりで避難場所を調べてもイマイチわからない…。

 

 それで、先ほどの横田園さんに連絡したところ、場所などを丁寧に教えてくださったんですね

 

 それまで、地域の人や、人からのご好意を感じる機会がほとんど無かった僕にとって、人から得る嬉しさもあるんだな。と思えたのが、継続してきた理由なのかもしれません。


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『お前を変えなきゃいけない』

 ――変に紐づけるようで恐縮なのですが、いじめをきっかけに対人関係に対して、億劫になりそうな印象が勝手にあります。人とのコミュニケーションにおいて転換期はありましたか?

 

 私の恩人であるAV監督の溜池ゴローさんの存在が大きかったです。

 

 ゴローさんが運営するスクールに2年前に入ったんですね。そこで、私の将来の夢についてお話したところ

 

 『俺はお前を変えなきゃいけない。お前の夢を実現するまでそばにいる』

 

 と言ってくださったんです。中々言えないですよね…。でも、なんだか妙にその言葉がしっくりきたんです。

 

呑んだときの話

 ――強烈な出会いですね!なにか具体的に猪野木さんの中で変化が起きたエピソードはありますか?

 

 ゴローさんを含めた同期80人ほどの飲み会に参加した時に起きた出来事が大きかったです。

 

 普通に呑んでいたんですけど、10分おきに『席そこでいいのか?』と言うんです。

 

 『えっ!?』って思いますよね(笑)それ以降も、数分おきに同じことを言うんです。それで5回目ぐらいに『お前、俺に前なんて言った?』と言われまして。

 

これは変わるしかない

――それは気になりますね。一体なんて言っていたんですか!?

 

 実は『これから先、いろんな人と友達になりたいです。そのために、200人の人たちと知り合います』とゴローさんを前に宣言していたんです。

 

 それをすっかり忘れていて(笑)その後、席を移動して話しかけたりしました。

 

 その時、この人は本気で自分を変えようとしてくれていると実感しました。より、自分自身が人に対してオープンになろうと行動が変化した気がします。

 

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       「最近では自分でも狭山茶を急須に入れて飲むのが日課となりました」


住む人の良さ、面白いものを届ける

―― そこまで親身になってくださると、"動かなきゃ!"と背中を押される気がします…!狭山市の活動は今後どう展開されていくのでしょうか?


 今後は自分が人を繋ぐ中心となって、狭山をもっと多くの人に知って欲しいです。

 

 そのためにも、継続してSNSを使って発信していきます。きっとここに来れば、その人にとっての良さが伝わると思っています。

 

 若いときは、『人生、ひとりでもいいかな』と思っていたんですけど、年を重ねて思うのは、人との触れ合いも良いなと

 

 僕はそれを狭山市で感じれました。

 

 

自分の命の使い方

――今回、狭山市のFacebookコミュニティからお会いすることになりました。人との出会い、繋がりは財産ですよね

 

 人間って産まれた時に使命を渡されるって聞いたことがあるんです。ただ、流れ行く時間の中でその使命を忘れてしまう。それを思い出すために私たちは生きていると。

 

 その使命が僕にとって、人を繋げることにあるのかな。っていう気が最近しています。

 

 幼少期のいじめも、今の人生を味わうための試練だったと言えるのかもしれませんね。