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『あなたの人生を記録する』

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過去と未来は、今という”リアル”によって変化する―――地獄寺に魅せられて 渡辺ふみ(30) 旅人

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旅人になりたい人たちへ


 ”地獄寺”をご存じだろうか?これは子どもたちに地獄の恐ろしさを教え、戒めるために建てられた寺のこと。その世にも奇妙な寺院の虜になったのが渡辺ふみさん。

 

 2019年末に8年間勤めたアパレル会社を退社し、2020年2月下旬からワーキングホリデーでカナダに行く旅人だ。

 

 「常に明日死ぬかも知れない。そう思って日々を生きています。なので、『これをやらずに明日死んでも大丈夫かどうか』。この言葉を自分に投げかけています(笑)」

 

 30歳というひとつの節目を迎え、安定の道を歩んでいた渡辺さんを海外へと突き動かした理由とは―――?

 

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https://sekalon.com/



 

異様な光景

 ――渡辺さんが運営されてるブログ『世界でロンギヌス』を拝見し、今回お会いさせていただきました。”地獄寺”初めて聞きました!

 

 23歳の時、クラブカルチャーやアングラ(アンダーグラウンド)の世界に惹かれました。

 

 そこで知り合った友人から『タイにヤバすぎる寺があるから行こうや!』と誘われたのがきっかけで地獄寺にどっぷりハマって…(笑)

 

 禍々しいものを見た時の、価値観や常識をひっくり返されるのが本当たまらなくて。『なんでこれ作ったの…?、なんで?、なんで?』と疑問しか浮かばないものを見られた時が一番最高です(笑)

  

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タイの地獄寺にて
 

 誰かの後押し

――ブログには、地獄寺以外にも英語の勉強やご自身のことが綴られていますね。始めたきっかけはなにかあったんですか?

 

 自分にとっての議事録的な感じで始めました。

 

 それと、ワーホリに行くか迷ったときに、学生の方や、アラサーでワーホリに行った人たちのブログに後押しされたんです。

 

 なので、私もそういった誰かの背中を押すひとつになれたらいいな。というのもありました。

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 異文化に触れる意味

――これまでも海外旅行に行かれていましたが、なぜ今回長期滞在のワーキングホリデーを選ばれたんですか?

 

 これから、どう人生を生きていくか。を考えた時に、より深く海外の人たちと交流を持つ必要があると思いました。

 

 それは、アパレルであろうと、新しくビジネスにするにしても不可欠な要素になるなと。

 

 そのため、日本人だけでの形成された価値観のみで、他国の文化やその人たちを無闇にジャッジしてしまうのは、障壁になるだろうなって。

 

 この先、自分が判断される側になるかもしれない

 

 なので、異文化の中に身を置くことで差別や文化の違い。そういうものに触れていたいと思ったんです。

 
 

コンプレックスから得た進路

――大学卒業から現在に至るまで、アパレル店員のお仕事をなさっていたんですよね!ファッションへの興味はいつからあったんですか?

 

 実は幼少期から25歳ぐらいまで自己否定、コンプレックスがとてもありました。とくに小・中学生時代は男の人が大の苦手で…。

 

 『イケてない、ダサい』と思われるのが嫌で、人の目も気になっていました。それを克服するスキルを高校2年生のときに考えたんですね。

 

 その時に出た答えが、料理・ファッション・裁縫の3つ。

 

 ファッションと裁縫を抽出し、得意なことを生み出そうと文科系大学に進学して、デザインや舞台衣装の勉強していました。

 

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学生時代に描いたデザイン画
 

 

 周囲の環境

――その後、28歳から店長に抜擢。そんなある日、転機が訪れたそうですね?

  

 海外の異文化や生活することに興味はありながらも、英語でのコミュニケーションが取れないことにコンプレックスがありました。私以外の両親や姉は英語が堪能。

 

 できない自分に引け目も感じていました

 

 そんな中、今も仲良い社内の同僚がやりたいことを叶えるためにアメリカに行くと退職したんです

 

 『自分も海外に英語を学びに行こうかな?』と思っていた時だったので、どこか自分事のように感じました。

 

突然の死


――それと近いタイミングで、大事な人が亡くなったと記事には綴られていました…。

 

 以前、付き合っていた彼氏が突然亡くなりました

 

 公園で一服しようとしたらそのまま…。当時、彼はまだ33歳。病気も無かったにも関わらず。

 

 その前後にも、親しい人が立て続けに亡くなって。悲しい気持ちはもちろんありましたが、その人たちが亡くなったことに対して、なにか意味が欲しいと思ったんです。

 

 自分がこの人達の死をきっかけに新たな一歩を踏み出すことでなにかに昇華できるはず。

 

 そう考えた時『これは背中押されている。今、動くしかない』と思い、退職しワーホリを決意しました。

 

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今を生きる   

――亡くなった人たちが決断を後押ししたと。その後、人生観になにか変化はありましたか?


 時間について深く考えました。その時、今ここで”見える物”、”音”、”匂い”そういう肌で感じる今こそがリアルであり、現実だということに辿りついたんです。

 

 今を生きるしかないなって

 

 なので、帰国してからのことはなにも考えていません。今という時間の積み重ねが未来の自分を作り上げていく。

 

 だから過去のことにもそんなに縛られなくてもいいんじゃないかなって。とにかく、今やるという意識が大きいです。


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時間の捉え方 

――未来を考えようとも、今この瞬間が将来を決定付けますよね。やはり時間は大事ですよね


 時間は寿命なので、決して無駄にしたくないですよね。それに自分の年齢は自分で決められると思っています。

 

 ブログには『30歳の私がワーホリに―――』と読者の方にわかりやすく年齢の部分を書いていますけど、重要ではないかなと。

 

 例えば、いつも、退屈だな、暇だな。と感じている人は、その流れる時間を体感しているので、あっという間に老けていくと思うんです。

 

 その一方、すごいアグレッシブな人が何歳になってもイキイキしている人は、時間があっという間に経過するから、老けにくい。自分もそうありたいなと思っています。

 

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射撃も趣味のひとつ

 

未来のことはわからない 

――カナダでも、ちょっと危ないところに身を置いていそうですね!(笑)いつも最後の締めとして、今後の目標をお聞きしてまして…。将来のことは決めてないと仰っていましたが、なにか言葉頂けますか?(笑)

 

 そうですね…(笑)海外に日本人を呼び、クラブカルチャーのような、皆が集まり刺激を受ける場を作れたらと思っています。

 

 あの空間で受けるインパクト、そこで感じる波みたいなのがすごい好きなんです。でも、カナダに行った後はメキシコに行きたいなー。なんて思っちゃっています(笑)

 

 ただ、人生において唯一ブレないのは、常に最良の選択ができる状態にしておくこと。

 

 そのためにも、今できる自分のベストを尽くす。そういった今というリアルに全力を尽くしていきたいです!