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ボーンブロスに込めた"ヌチグスイ(命薬)"という想い―――チャレンジと経験の先に得たもの 三宅綾(44) SAVORY


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 ヌチグスイ・ボーンブロス

 株式会社SAVORYの代表取締役、三宅綾(みやけあや)さん。2014年に沖縄県に移住し、一児の母でもある。

 起業のきっかけは、旦那様が亡くなったことがひとつの要因だった。

 

 「夫の経験から、美味しく且つ、滋養溢れるスープのボーンブロスは、病気を患う方には取り入れやすく、さらには介護する側の料理への負担も軽減する便利なアイテムになると思いました。また、息子に働き方の選択肢を示すことができるかなと思ったことも起業の大きな動機でした」

 

 2018年に会社を立ち上げ、2019年4月にヌチグスイ・ボーンブロスを発売。どのような想いが商品に込められ、お客様の手に届くのかーーー。

 

 三宅さんが注ぐプロダクトへの想い、そして”生きる”ということを伺った。

 

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SAVORY(セイボリー)意味:漂ってくる美味しい香り

 

2011年に起こった出来事

 大学を卒業後、絵を描く事が好きだったこともあり、イギリスやアメリカで美術を学んだ。

 

 しかし、アートで生計を立てることは難しく、26歳のとき日本に帰国。外資系企業に就職した。

 

 「10年程勤め、マーケティングが主な業務でした。プロダクトマネージャーとして、市場の調査から市場導入、アフターサービスに至るまで、様々な業務を行いました」

 

 その後、ご結婚を機に退職し、お子さんを出産。ごくありふれた幸せな日々。

 ところが数年後、旦那様はガンを患いこの世を去ってしまう。

 

 「当時は3.11の直後でした。都内に住んでいたのですが、世間が慌ただしく、『ゆったりとした環境で子育てがしたい』と思い、2014年に沖縄県に移住してきました」

  

”食べてみたい”から始まったボーンブロス

 その後、沖縄科学技術大学院大学(OIST)にて、科学技術の事業化支援の仕事に3年半従事。

 

 発明が事業化される道のりのサポートをする中、NYで流行していたスーパーフード、ボーンブロスを知る。

 

 牛や鶏、豚などの骨から抽出した、栄養価がとても高いスープ。『飲む美容液』、『飲むサプリメント』とも言われ、腸内環境の改善などに処方する海外のドクターもいるという。

 

 「最初は『自分で食べてみたいな』。という興味からでした。ただ、『海外では人気で専門店があるにも関わらず、なぜ日本では流行っていないのか?』と、考え始めた頃から徐々に事業化や商品化へと動き始めました」

 

絶対条件は”残留薬品”が無い事

 ご家族への想いも相まって、2018年4月に株式会社SAVORYを起業。企画、調査、製造、営業にアフターサービスと、幅広い業務を三宅さんひとりで行うところからスタートした。

 

 そして、2019年4月に商品化に成功し、ヌチグスイ・ボーンブロスを発売。

 現在、自社サイトによるネット通販や、他社へのOEM提供を行っている。

 

 「とにかく、ホルモン剤や抗生物質など、残留薬品の検出されない原材料というのが絶対条件でした。動物の骨を扱うので、どう育った牛や鶏なのか。というのはすごく吟味しました。美味しくするために野菜もたくさん使いますが、無農薬のものしか使いません。当時の自分が求めていたことですが、『必要な人が心から安心して使える』ということをとても大事に考えています」

 

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商品名である、ヌチグスイとは、沖縄の言葉で『命の薬』という意味

 

限りある人生。大事にしていることは?

 起業に至るまでの資金調達。商品化に導くための幾多の研究。そんなチャレンジの連続は三宅さんが人生で大事にしていることと重なる。


 「限られた時間の中で、どれだけチャレンジし、経験できるのかが大事だと思っています。この事業が”成功”するか”失敗”するかもわかりません。ただ、保証はないけれども、自分の決断に納得できるような仕事を選んでいたいと。そういった気持があります」

 

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今後、沖縄科学技術大学院大学の別の起業家と協働し、ボーンブロス以外の「ヌチグスイ」な商品展開も行っていくことが決まっている。

 

周囲に左右されず、どう生きるか

 「自分の決断に納得したい」。大学卒業後に海外へアートを学びに行ったのもそういった想いが突き動かしたのかも知れない。

 

 「当時、大学卒業後は官僚やサラリーマン、大企業に勤めることが、”安定的で良い”とされている時代でした。でも、それだけではつまらないですよね。自分の価値観でどう人生を生きて満足するか。そういったことは今の若い人の方が考え、実践しているように思いますね」

 

 「夫は思いがけず人生の早い段階で自由を失ってしまい、悔しかったと思うんですね。彼の分も、自分の人生を最大化したいのもありますし、息子に『年齢にも縛られずいろんなことに挑戦して良いんだ』。という、チャレンジする姿を実例として見せたいという気持ちもあります」

 

 それが一番の目的かも知れません。そう言葉を添えた。

 次第に”経営者”の姿から、一人の子を持つ”母親”としての側面も垣間見えてきた。

 

唯一無二のパートナー

 事業を始めるかどうかまだ悩んでいた頃は、子どもにも考えていることを話したり、牧場見学に一緒に行ったりしていた。

 

 「事業化するにあたり、まず良質な材料が手に入るかが重要な判断の分岐点でした。なので、知り合いのつてをたどって、様々な牧場や市場などに当時6歳の息子と行きました」

 

 何か大きな決断をするときに、どういう経緯で行動し、どんな考えを持っていたのか。そういうプロセスを一緒に経験することで、なにかしらの学びになってくれたらと考えてのことだった。

 

 「彼がいつか、自分の道を決めていくときの判断の礎になったら良いなと。覚えているかわかりませんけど。ただ、なんだが楽しそうと思っているのか、『将来はこの会社を継ぎたい』と言ってくれるんです。嬉しい事ですよね」

 

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さいごー自分の体に目を向けて

 ボーンブロスに込めた強い想いは、人が自分の人生を謳歌できるよう、心身を栄養で満たすことが大切だということ。どんなチャレンジも経験も”命と健康”が無い事には始まらない。

 

 「『病気』と診断されたら、精神的にも落ち込んでしまいますよね。やじろべえを基に戻すのも、ちょっとバランスが崩れていればすぐに治せますけど、完全に振り切れてしまってからでは大変ですよね」

 

 目には見えない、体に張り巡らされた精神の糸。ピンと張りつめた状態程、切れた時の反動も強い。

 

 「本当に倒れる前に整える。SAVORYは日頃からできることで、人の健康を支えたいと思っています。自分の心や体の状態に目を向けて、生きづらい原因があるなら一つずつ改善する。そういったこを積み重ねると、きっとより満足のいく人生を過ごせるようになるのではないかと思うんです」

 

 ヌチグスイ・ボーンブロスには生きることを間近で見届けた、三宅さんの足跡が注ぎ込まれている。

 

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www.savory.jp