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どんな人にも経験という歴史がある。その経験を書き記すことで人類にとって少しでもプラスになれるものを書いています。

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自分の傍にいる人たちには楽しく生きてほしい 小石川泰弘(28)Eureka inc./Chief Promotion Officer


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物事を照らし、未来を示す会社 Eureka inc.

 海外のアパレルコレクションでのPRや、時に各国首脳会議のディレクション。多様な案件を請け負い、新しい付加価値を提供するPR会社EUREKA inc.(ユリイカ)のCPO(Chief Promotion Pfficer)である小石川泰弘(こいしかわやすひろ)さん。

 自身の仕事を「自分はミーハーなので小さい頃からメディア越しで見ていた方々に会えるのは大きなやりがいです(笑)」と照れ臭そうに話すが、決して流行りに乗るだけではない。どこかアナログな要素も持ち合わせいている。

  

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Eureka/ユリイカとはギリシャ語に由来し、発見・発明したことを喜ぶときに使われる言葉。そして電球は「何かを閃く、発見する」時に浮かぶアイコンでもある

 

  

いつか僕もお父さんのように

 埼玉県育ちの小石川さんはひとりっ子。喘息持ちだったこともあり、ご両親はとにかく体力をつけてほしいと平日休日問わず、習い事がメインだった。 

 「父は戦後間もない昭和21年に生まれ。当時は大学進学も少ない時代だったので勉強よりも、スポーツや規律の部分が厳しかったですね。そろばん、暗算、英会話、水泳、書道、剣道、サッカー、ピアノ…。いろんなことを習いました。小学生時代が一番多忙だったと思います(笑)」

 お父様は建築業と不動産業を営んでおり、ひとりっ子ということもあってかご両親からの期待やプレッシャーも感じていた。

 「『俺の様になれ!』と言われた訳ではないですが、とにかく『まっとうに生きろ』と(笑)。どこか父の背中を見ながらいつかは自分も独立したい。という想いはあったのかも知れませんね」

  

ギターと出会った10代

 様々な体験をするもハマる物事は無かった。中学校は以前から興味のあった野球部に所属。しかし、半年で退部する。

 「ハードなスポーツは自分に向いてないと認識しました。(笑)それと、シンプルにめんどくさくなってしまって。ただ、ギターはスポーツよりも体は動かさなくて良いですし、なにより女の子からモテるだろうと…。(笑)」

 なにかに没頭することが無かった少年はギターを購入し、来る日も来る日も楽譜を見てはギターを弾く日々だった。

 

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静寂の高校生活

  青春漫画に出てくるような楽しい高校生活を夢見ていた。しかし、決していじめにあったわけじゃないが、”無の3年間”だったと振り返る。

 「地元には友人もいましたし、アルバイトも充実していました。ですが、学校生活だけはポッカリ穴が空いているんです。疎外感や虚無感を抱いていました。なのに、周囲には変な対抗意識がありました。「お前らとは違う」みたいな。(笑)自分が成長しきれていなかっただけなんですけどね」

  学校での喪失感はギターに費やした。「今に見ていろ」と言わんばかりに毎日音楽を聴きいては、ひとり練習に明け暮れた。

 

4年間をどう生きるか

 東京国際大学商学部に入学。選んだ理由はただ、一点、「軽音が活発」だったから。意外にもこの選択が後の人生に大きな影響を与えた。 

 「OBの中には紅白出場歌手や、芸能関係のお仕事に就かれた方も多くいて、年齢関係無く切磋琢磨できる環境で楽しかったです。後輩を持つとマネジメントの部分に興味を持つようになり、自分たちの代の時には部長を務めました」

 ”遅刻、無断欠席禁止”など、「サークル」ではなく、どこか体育会系を感じさせる「部活」として受け継がれていた伝統を守りたいと思った。 

 「普通の大学生活では、”知識”は学べますけど、”生き様”のようなものは中々学べないですよね。そして、大学院を除くと最後の学生生活の場でもあります。そう思ったとき、大学の4年間は後の人生に大きな影響を及ぼす場所だと思い、自分含め”人としての成長”を促せる場を作りたいとも思いました」
  

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学びは学問だけじゃない

 500人以上が所属する文化部全体の委員長も務めた。多くの自由が持てる大学生活。その反面、自分の居場所を見つけられず入学早々に退学してしまう生徒も少なくない。

  それを食い止めるため学生課と連携し全新入生を対象に部活、サークル問わず、どこかに所属してもらうよう大学全体でキャンペーンを走らせた。

 「どこに入れば良いのかわからない」という学生には直接小石川さんに連絡ができるような仕組みにし、自身でヒアリングを行い各団体の紹介も行った。

 「部活や委員会での活動が一番の学びの場だったかもしれません。特に大学職員の方々に多くのことを教えていただきました。思えば、社会人の方と折衝したり、向き合ったりしたのは、その時が初めてでした。僕らがあることで迷惑をかけたとき、居酒屋に呼び出されてとことん説教されたもは良い思い出です。(笑)その分、僕ら学生の将来を考えていくれていると感じ、本当に感謝しています」

 

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所属していた部活での一枚

  

地続きの中にあった6年間

 卒業後はイベント・PR会社に就職。以前より、音楽やギターが好きだったことが転じて芸能界や広告に興味を持っていた。

 入社早々、キャスティングを担当。芸能事務所に電話し、イベントや広告出演の交渉がメイン。社会人として6年が過ぎたが大学時代の経験は大きな基盤だったと確信している。 

 「例えば、芸能事務所とタレントの出演交渉の際、言葉遣いはもちろん、佇まいや礼儀にも注意を払います。音楽もやっていたので音響機材の知識があったこともプラスに働いてます。そのほかにも、イベントでは大学生のアルバイトの方たちに協力いただくことも多いので、学生さんたちとコミュニケーションを図ったりと、至る所で大学時代の経験が生きています」

  

26歳Eurekaを設立

 5年間働き、多種多様な案件とスキルを身に付け当時上司だった方と3年前に独立。株式会社ユリイカを設立。主なサービスは、タレント、文化人など様々な人のキャスティング、イベントの制作、PRの企画。CPOとして上記業務に加え、クライアントとの折衝とPR企画が一番多い業務となっている。

  「僕らは良くも悪くも形のある商材を扱っているわけではないです。多くのご相談が『こんなことできますか?』という提案から仕事がスタートします。だからこそ、全く形の無い状態からアイデアによって形になっていくのは楽しいです。その反面、小売りや保険の営業のように、『売るもの』が決まってないので、どう売り込んでいいかが難しい時もあります(笑)」

 

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担当した渋谷でのイベント現場

 

やりたいことにチャレンジできる会社

 設立してから2年が経過。共に働くメンバーへの想いや、どのような会社づくりを目指しているのか伺った。

 「居酒屋や、電車の中でよく会社の愚痴をこぼしている人を目にしますよね。それって凄く勿体ないと思ってまして。プロジェクトの成功のために悩んだり、考えたりするのは有意義なことです。ただ、本来会社は社員を守る場所でもあります。その場所自体の居心地が悪いのは本末転倒だと思うんです」

 仕事に疲弊しきって自ら命を絶つ人も少なくない。せめて自分の傍にいる人たちには自分の人生を楽しく生きてほしい、また自身もそうありたいという願いもある。

 「例えば新入社員に、自社で1年間キャスティング担当してもらったとします。でも、つまらないと思った。その時に本当にやりたいことにチャレンジできる会社作りを目指しています。嫌なことを中長期的に行うよりも、興味のあることをしてもらう。そして新しいものが生まれる。そのシステム作りは難しいですが実現したいです」

 

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人との出会いがなにかを生み出す

 自社とはまたべつに20代、30代の人たちをリアルの世界で一旦繋げてみようと動いてもいる。

 「今、友人の会社と共同でスペースを作ってみようかと話を進めています。”なにかやりたい”、”好きなことを仕事にしたい”と、思っている人たちが非常に多い世代でもあります。決して”一緒に会社を作る”、”クリエイティブなことをする”など、大きな物事を掲げるのではなく、柔軟に新しいものを生み出せる場所を考えています」

 芸能人やアーティスト。華やかな世界の方々と働いているが、どこかアナログな部分も持っている。

 「僕は大学生時代に大勢の仲間と物事を作り上げる楽しさを知りました。社会人になった今も憧れのアーティストさんや企業の方々とコラボしながら仕事させていただいています。ただ、技術が進歩しても人との出会いの中で誰かを楽しませる物が生まれると思うんですよね」

  

さいごー部活のような環境を

 最近同窓会などで昔の友人に今の仕事内容を話すと「小石川っぽいね」と言われるそうだ。じつはその言葉がとても嬉しいそうだ。

 「自分のことって意外とわからない時ありますよね。(笑)何が向いているのかとか。ただ、昔から僕のことを知ってくれている人が言ってくれると、『今の仕事合っているんだな』と確信にも繋がったりします」

  会社で働くには、当然数字という結果を求められる。ただ、その結果も働く環境も大きく左右する。

 「『仕事は時間を消費するもの』という概念を無くす会社ができれば最高です。僕は軽音楽部の時も、行かされている感覚ではなく自らが好きで行っていました。それは音楽も仲間も『好き』だったからだと思うんです。会社もそのように部活の延長みたいにしたいです。プロジェクトも言うなれば作品づくり。社員という表現なだけで、バンドメンバーと捉えることもできますよね。外周りで営業と現場を行き来して会社に戻っても思わず、『ただいまー!』と言ってしまうような(笑)大人になっても青春が味わえる会社も素敵じゃないですか」