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どんな人にも経験という歴史がある。その経験を書き記すことで人類にとって少しでもプラスになれるものを書いています。

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限りある人生。留まることも時には大事 大橋澪(23)印刷会社

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良いことばかりが人生じゃない

 大学時代の後輩で、私が参加していたボランティア団体の説明会をしたときに、参加者として出席してくれた。それ以降、大学のパソコン室で話すなどの交流が始まった。

 以前、インタビューした市村君と同級生。卒業後数年ぶりの再会となった。インタビューをさせてほしい。とお願いした際には、「今仕事等で悩んでいるんですが、それでも大丈夫ですか?」と返事が来た。

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  人生良いことの連続ではなく、仕事を始めれば尚更。悩みを話してくれた方が、後々、このブログを読んでくれた若者たちに一番響くような気がしている。

 

商業高校へ進学

 高校は地元の商業高校に入学、今思えば安易な選択だったと振り返る。「商業科を選択した理由は普通科目を習いたくなかった事と、制服が可愛い。という理由で選んだ。」部活は軽音部でベースを弾いていたが、そこまで積極的に参加はしていなかった。高校卒業後の進路選択の際には、進学の道として医療関係を考えていた。

 

生まれつきの病気で見えかけた、なりたい職業

 人間は産まれてくる時、一番最後に鼻の下の皮膚が覆われ誕生する。しかし、彼女はそこの皮膚が覆われていない状態、穴がぽっかり空いて産れてきた。「生まれつき骨の病気で、小さい頃から入退院の繰り返しだった。高校1年生の時には、一番大きな手術を行った。その際に付き添ってくれた男性の看護師さんが、医療の分野に興味を持たせてくれた。」

 その男性看護師は、元々医療とは別の業界で働きながら、看護学校に通い看護師資格を取得。看護師一年目の時に彼女の担当となった。その看護師が話す、働く事の大変さとやりがいを日々聞いていた。「とても印象に残った人で、医療の道は大変だけど魅力的な仕事に感じた。」この病気の修正手術を終えている。

 

ひとりもいない。と言われた進路相談

 医療の道に関心を持ちながらも、明確にやりたい仕事としては捉えられなかった。高校3年生になり、進路選択の際には学校の先生から「商業から医療の道に進んだ人はひとりもいないよ。」と言われ、徐々に諦めていった。就職の道は考えられなかったため、大学に行くことを選択した。

 
大学生活でのヒトコマ


 1年生の時に、学校のプログラムでルワンダを訪れた。現地で青年海外協力隊やJICAで働く人たちに会い、経済支援や協力支援の現場を見た。就職活動では、業種とかは決めず様々な企業に出向いた。自分の興味や大学の教授からの勧めもあり、現在働く印刷会社へと就職する。

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イメージとのギャップ

 入社2年目。会社は主に、ポスターやチラシなど紙媒体をメインに扱う。その中で、彼女は企業の総会資料や、冊子、名刺の制作業務を行っている。「細かな作業が多く、mmよりも小さな単位の世界の中で仕事をしている。取引先とも連絡を取りながら、商品の細かなディティールにも神経を使っている。」

 商品が出来上がる際が一番の達成感を感じる。しかし、それ以外のところで仕事の魅力や、やりがいが見出せていない。「実際に働くと、イメージと違った。日々細かなところにも気を配り、仕事を集中して行っている。このまま、仕事を続けていくこともできるが、遠い将来を考えると不安にも思う。」

 

どこか残る医療への思い 

 仕事が生活の習慣となり、仕事の大まかな流れや、自分のいる部署での役割も見えてきた。それゆえに、仕事と自分の想いを照らし合わせて考えることができたからこその悩みを抱えているようだ。

 高校時代にやりたいと思っていた医療の世界をどう考えているのか聞いてみた。「今も可能性のひとつとして考えることはある。もし、やるとしたら小さい頃から入退院を繰り返した。その経験を生かして、私と同じような生まれつきの骨の病気を持つ人達を精神的な緩和やサポートをしたいとは思う。」

 医療の道を進むにも大学へ入り直す必要があり、費用と時間がかかる。積極的に取り入れることの選択肢とはならないようだ。仕事と転職の悩みを抱えた中で生きている。

 

趣味で感じた仕事ととの境界線


 普段は仕事に追われているが、プライベートではバンド活動を始めた。入社後、新入社員歓迎会があり、余興として新入社員たちは、自分たちの特技を披露する。その際、彼女は小さいときから習っていたピアノを選択。

 地元の音楽スタジオに通って練習していた時に、そこのスタッフの人から「バンドでキーボードをやってみない?」と誘いを受けた。「40~50代の人達と一緒に活動している。何度かライブハウスを借りて演奏もしている。ベテランの人達に囲まれ、音楽以外の事にも良い刺激となっている。」

 趣味で始めたバンド。そこで思うことがあった。「自分の好きな音楽性と、バンドで作る音楽。自分の趣味や趣向とは違う音楽を演奏することは、どこか仕事と似ていると感じた。」自分の興味とは違う事も音楽なら楽しくやれる。仕事となるとそうもいかない。

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やりたいことや、将来を寝かせつつ、動く

 仕事は人生の大半を占める。一体なにに向いて、なにに興味があるのか。それを知るには時間と自分と向き合うことが不可欠。「昔から物を作ることは好きだった。就職してみて再度それを感じる。すぐに答えを出すのではなく、今の会社で働きながら、自分と向き合いたい。まだ入社2年目で、ここで退職しても中途半端になる。今の仕事を自分の物にすることが第一優先といしている。」

 

さいごー 時間と選択

  多くの大学生が就職活動をする際に、ぶち当たる悩みは”自分はどんな仕事をしたいのか。”彼女は就職先の選定を、自分の興味・関心から就職先を決めた。将来を見据え決断したのだろうが、どこかイメージと違った。そして入社から2年が経ち、仕事を人生の一部として捉え、”このままではどうしよう”という焦りと不安が生まれた。

 様々な感情が渦巻く中、彼女が出した答えは、すぐに辞めるのではなく今いる環境で答えを見つけることだった。嫌だからと言って辞めるのは簡単。仕事をしながら、自分と向き合うことで、よりベストな選択が導き出せると考えたのだろう。彼女がどの選択をし、どのような想いで今後決断していくのかを見守っていきたい。

 

 

carpediem-後世に残したい文章を-
長い歴史をかけて私たちは生活ができている。
何十年、何百年後を生きている人たちが現在を振り返った時に
今を生きている人たちが、どのような基準で、なにを指針として
取捨選択したのかを書き記し、後世にとって人間を知るためのものを残していく。
もちろん、普段の時間つぶしの読み物としても読んでいただけたらと思います。


高橋郁弥(26)毎週月曜日、20時更新。
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