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どんな人にも経験という歴史がある。その経験を書き記すことで人類にとって少しでもプラスになれるものを書いています。

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サッカー部、部長が仕事で息詰まった時に、助けてくれたのはサッカーだった 桒原 謙介(27)自動車製造業

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■サッカー部時代の先輩。部長。同じFW

 私の1歳年上の高校時代のサッカー部の先輩。当時は部長で、卒業以来の再会となった。同じフォワードで試合に出場していた。坊主頭がトレードマークだった先輩が、10年後は一児の父親になり家も購入していた。久しぶりの再会も、会った瞬間に当時の関係のまま、「ふみや、桒先輩」の呼び名は変わらなかった。卒業以降は就職したことしか知らなかったが、同じ時間を過ごし、苦労も共にしたからこそ思い出話を話すかのようなインタビューとなった。

 

■1年目、なんも面白いことなんかない

 「後輩とこういう話をするのはこっ恥ずかしい。」第一声だった。仕事は自動車製造会社勤務。入社10年目となる。車に乗ることが好きで、機械科に在籍していたこともあり、進路は車関係に絞っていた。興味のあったことに就職した今、「仕事は好きですか?」と問う。「好きに思えるようになった。当たり前だけど、就職したら夢見て入った企業だけど、現実は違う。最初はわからないから、面白いなんて思えない。」入社したてはただただ、働きまくったそうだ。

 在学中は成績が良く、工業系の大学の打診もあったそうだが、実家が貧乏でとにかくお金が欲しかったそうだ。いざ、就職し現実にぶち当たる。「とにかく覚えるのに必死。部品や設備の名前。 なにかトラブルがあって先輩が対処をしているのも見ているだけ。これを自分でやったら楽しいのかな?と思った。」

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母校の小学校にて。とりあえず、その滑り台で撮りましょうか。と言ったときの最初の一枚。


■仕事をサッカーで捉え、肩の荷がおりた

 「いかに自分で乗り越えて、やっていくのか。最初はそれを見出だせなかった。」2年目で少しづつ仕事に慣れ、車の構造も理解し、徐々にトラブル時に任せられ、仕事が楽しくなってきた。充実感を得ると共に仕事をサッカーで捉える。「DFがボールをカットし、中盤にボールを回して攻撃のリズムを組み立てる。そこからFWがボールをもらい、ゴールを決める。」

 溶接が主な仕事。1年目はライン作業に順次した、部品のセットを行っていた。車はほぼ金属でできており、鉄板をかたどり、溶接の後、鉄板がパーツと成りボディと変化する。その時、「自分は中盤のポジション。組み立て役なんだな。と感じた。次の工程に回し、ハンドル、エンジン、タイヤが付き出荷。そう思ったら変に面白く感じた。(笑)」急にふと軽くなったという。「一台の車を作る何千人のひとり、だと思うと肩の荷がおりた。自分のいるところはこういうところなんだと気づいた。」

 

■ミス

 同時期にミスをした、「車の出荷140台止めたことがある。2時間、目を離した間に機械の故障に気づかなかった。」損害額は数千万円程、人を詰め込んで対応した。「もちろん、その後はめちゃくちゃ怒られた。なめてんじゃねぇ。と言われたなぁ(笑)」今でこそ笑い話のようだが、当時は汗が噴き出まくったそうだ。

 ミスを引きずっていても仕方がない。次の日には切り替えて同じ作業をしっかりとこなした。「金をもらっている以上はプロだから。失敗の経験をどのように生かすのかが大事。」失敗や年数を重ね、ラインを管理する側のオペレーターになる。人に作業を教え、設備に作業をプログラミング。倉庫内の設備を知る。不祥事の対策がメインとなる。

 現在も溶接課として働き、部署の作業者の人に技術を教えたり、ロボットや機械設備をメインに管理している。トラブル時はコントローラーを使い、プログラミングを打ち込み、機械へ指示を与え対処。部品の名前や形、取り付け方などは知っていて当たり前。今は、部品を加工するための知識のインプットが楽しいと話す。

 

■転職を考えるも快感が想像できなかった

 転職は一度迷い職人になりたいと思った。その時、今の仕事で得られる快感が転職した時にあるのかな?と考えた。「職人の快感や医療系の快感。それを想像したときにわからなかった。車一台の品質、作業スピードを突き詰めて、結果が出た時が快感。それが自分にとっての一番だと思ったから転職はしなかった。今になって、その快感を突き詰められた。」快感を得たと同時にモチベーションがそこで保てるようにもなった。

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インタビュー写真のために奥さんと考案したポーズ。コンセプトは不明。


■仕事でFWになるために

 10年目を迎えた今、仕事で再びFWになる快感を得始める。「最後なんか起きて打開するのはFWだなと思うようになった。その時、もっとガツガツしようと思った。」長らく中盤的なところでやってきたが、「生粋のFW気質なんだよね。」と再確認した。「不具合を解消した時、点をとった気分。今日もやってやる。というスタンスで仕事をしている。俺にとって仕事はボールだな。」

 

■家族と仕事

 奥さんも同じ会社の人間。部署は違ったが同期入社だった。仕事で残業や、夜勤もあり家族との時間が中々避けないが、「残業で帰りが遅くなってもおかえりと言ってくれ、ご飯がある。子供の保育園の送り迎えも感謝している。」残業に関しては、「明日のためになんかしたいから残業する。」特に心の休息は子供だそうだ。「夜勤明けでおはようと言われると癒される。よく子供に癒されるというが嘘じゃない。」 

 

■さいごー先輩であり、ひとりの職人

 卒業以来の会話で「こういう風な人生を歩んできたのか。」と思うと同時に「この志がある人たちが車を作ってくれている。」と思え胸が熱くなった。もちろん、何千にいるうちの一人、高校時代の先輩だからという想いもあるかも知れない。でも、私にとってはひとりの人間として、モノづくりの職人として感銘を受けた。

 人間だれしもミスをする。仕事や様々なことで。その時、自分の好きなモノに例え、消化し、再発防止を心掛けるのは自分も納得し前に進める特効薬かも知れない。

 まだ、フットサルも続けているようなので、部長。その時はまたツートップでよろしくお願いします。